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秋に強く吹く風を野分けと言うそうですが、10月27日のこの日は夕方から思いのほか荒れた天気に見舞われ、突風が吹いたかと思うと雷鳴がとどろき、大粒の雨を降らせ、場所によってはヒョウまで降る始末です。
そんな足元の悪い中、100人余りの大勢の方がサンパール荒川 第7集会室での「生活環境を考える会」へ参加されました。
私達を取り囲む諸問題について、見せ掛けや、思い込みではなく、実態を知ることを趣旨とした「生活環境を考える会」も第2回目を迎えることとなりました。
今回は医療崩壊による事故が目立つようになり、講師として磯病院の磯先生に『よりよい医療を目指して』というテーマで講演していただきました。
尾久満天会 藤氏の司会で7時より開会し、後援会会長 芝江貞徳 の挨拶の後、講師が紹介されました。
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磯病院院長 磯 裕明 先生 のプロフィール |
昭和24年 |
荒川区南千住で出生 |
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昭和50年 |
日本医科大学卒業 医師国家試験合格 |
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日本医科大学小児科学教室入局 |
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昭和61年 |
磯病院就職 |
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昭和62年 |
理事長兼院長に就任 |
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現在に至る |
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約1時間の講演の後、活発な質疑応答がなされました。 最後に荒川区議会議員 小坂まさみ のお礼の挨拶で閉会しました。
講演会の内容を以下のように質問形式にまとめました。 |
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Q1,本当に医師が不足しているのですか? |
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主要先進国では人口10万人に対して平均3人の医師がおり、2.4人しかいない日本では医師の数が全国で14万人不足しているといわれています。
- 特にリスクが高く過密労働が強いられる「産科・小児科」や、「救急医療」
などでは十分な数の医師が確保できないのが現状です。
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Q2、日本が医療にかける費用は高いのですか? |
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全体としては欧米と比べて少ないですが、個人負担(窓口負担)としては1番多いです。

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Q3、健康保険がきく範囲は狭まっていますか? |
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- リハビリ期間の制限がされています。(いままでは制限されていませんでした。)
心大血管疾患 |
150日 |
(治療開始日から) |
脳血管疾患等 |
180日 |
(発症、手術または憎悪から) |
運動器 |
150日 |
(発症、手術または憎悪から) |
呼吸器 |
90日 |
(治療開始日から) |
- 新薬や新しい医療技術は保険がきかず、全額個人負担となっています。
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Q4、私達が入院を必要とした場合、現状はどうなっていますか? |
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平成10年 ───→ 平成19年
480,139人 ───→ 623,012人
(29.7%増加)
平成15年:15分 ──→ 平成19年:約19分
平成10年4月 ───→ 平成19年4月
411施設 ───→ 335施設
(18.5%減少)
(2) 安定期に入った時の受け入れてくれる病院がない。
(寝たきりになったり、意識障害が残った場合)
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長期療養病床の削減
医療療養 25万床 ───→ 15万床
介護療養 13万床 ───→ 廃止
└───→ 老健へ?
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国が医療に対して、充分な保護政策を取らず逆に予算を削減した為に上記のような事態が生じました。診療科の廃止や中止、患者の受け入れ制限など何らかの形で診療体制を縮小・制限する病院が増えています。
この結果、入院先がない患者『医療難民』を生み出す事となっています。
現在、特別老人ホームに入所するには2〜3年待ちの状態です。
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<小坂まさみの感想>
磯先生を講師にお願いし第2回目の「生活環境を考える会」が盛大に行われました。
磯先生と本日この講演会に御出席いただいた方々にお礼を申し上げます。
先生の講演内容で現在の医療問題が浮き彫りになり、大変興味深く感じ入りました。
荒川区が区民に対してやらなければならない事や区議会議員の私がおこなう事を自問してみました。
荒川区民がいつでも安心して医療や介護を受けることができる、医療・介護体制にしなければいけないと思います。
医療保険料や介護保険料の負担軽減につなげる施策や病床を増やす事などを積極的に支援したいと思います。
さらに荒川区民の皆様には糖尿病等の生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として、メタボリックシドロームの該当者及び予備軍を減少させる為、政策を考えたいと思います。
ころばん体操やセラバン体操の拡充で 元気で活き活き暮らせる高齢者への支援 を進めたいと思います。
健康診断等の予防医学の充実と高齢者 の方々が介護にかからない健康づくりへ の支援策を区民の皆様とともに考えて 行きたいと思います。
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