新型インフルエンザに対する講演会
 
 この度、区民の皆様方の生活環境に係わる諸問題を取り上げて、勉強会を開きたいと考え「生活環境を考える会」を立ち上げました。
 その第1弾として、現在新聞等で騒がれている「新型インフルエンザ」を取り上げ、さる5月29日(木)にサンパール荒川5階第7集会室にて講演会を開きました。
 区民の目線に立った、解説をしていただくべく、講師には、長年、南千住で地域医療を行っている『日下史章先生』にお願いしました。

 

医学博士 日下史章先生のプロフィール

昭和40年3月 東京医科大学卒業
     
昭和46年1月 日下医院開設、外科、胃腸科、泌尿器科
     
  平成 2 年2月 医療法人社団 平永会 日下診療所 理事長
    磁気医学物理療法研究所併設
     
  平成18年5月 オゾンマグネ療法研究所新設
    (日本医療・環境オゾン研究会副会長)
     
     
 
 当日は雨天にもかかわらず、100名近い方々が参加していただき、この「新型インフルエンザ」に対する関心の高さが充分にうかがえました。
 村松恒至(尾久満天会)の司会で午後7時30分開演の運びとなり、芝江貞徳後援会会長の開会の挨拶に続き、日下先生による講演が始まりました。「新型インフルエンザ」に関する最新の情報をスライドをまじえながら、約1時間、語っていただきました。
 講演後多くの方々より質問が飛びかい、30分を越すこととなりこの講演の意義を改めて実感しました。
 最後に私、小坂まさみの挨拶をもって講演会は無事終了しました。
 日下先生並びに参加者の皆様本当に有難うございました。
 尚、当日の講演内容は下記にまとめました。

 

1. 新型インフルエンザとは?
 
  • 鳥インフルエンザとは、鳥類にだけ感染し、鳥類の間を感染拡大するインフルエンザのことで、それに対して新型インフルエンザとは、偶発的に鳥インフルエンザがヒトに感染し、その後ヒトの体内でウィルスが突然変異し、ヒトからヒトへ容易に感染するウィルスのことを言い、全く別物である。
 
2.新型インフルエンザの大流行はあるのか?
 

答え:ある

  • この新型インフルエンザは、これまで地球上に存在したことがないウィルスで免疫を持つ人がいない為、世界同時大流行(これをパンデミックと呼ぶ)する。現在、擬似的ワクチンはあるが、真に特効薬となるワクチンは存在しない。
  • 人から人へ感染する新型インフルエンザの世界的流行は10〜40年周期で発生する。この数十年間は発生がなく、地球規模で発生している高病原性鳥インフルエンザウィルスが新型インフルエンザウィルスに変異する危険性が日々、高まっている。しかも今回の新型インフルエンザは極めて病毒性が高いと予想されている。 また、この新型インフルエンザは今までのインフルエンザとは違い、季節には全く関係なく発生する。
 
3. 新型インフルエンザが大流行すると?
  (1) 膨大な健康被害(健康問題)
  • 患者数と死者数の増加
  • 世界全体でほぼ同時に起こる(自然災害と異なる)

(2) 社会活動、社会機能への影響

  • 医療サービス
  • 社会機能の維持に不可欠な職種
  • 生活必需ライン(エネルギー、食糧供給)
  • 社会安全保障
  • 経済的影響(世界大恐慌)

(3) 危機対応と危機管理(健康問題のみでは収まらない)

  • 外部からの支援は期待できない(自然災害との違い)
  • 国全体及び国際的な対応、協力が必要
 
4. 新型インフルエンザが国内で流行したら?
 
  • 政府は人口の25%が感染し、患者数は2500万人、 入院患者は200万人、死亡者は64万人と予想している。(最新情報では210万人)
  • 荒川区は区民の30%が感染し、患者数は57600人、 死亡者は1150人以上 と予想している。
 
5. 新型インフルエンザの感染経路は?
 
  • くしゃみ、せきと共に吐き出されるウィルスを吸い込んで感染する。
  • ウィルスが付着した物を触った手で、口や眼の粘膜を触ることで感染する。
 
6. 新型インフルエンザの症状は?
 

(1) 発熱(38度以上) ──→ (2) 下痢(血便) ──→ (3) 多臓器不全

※ 症状の変化が早い、そして激しい
※ 潜伏期:2〜8日(平均4日)

  • インフルエンザと『新型インフルエンザ』との対比
  インフルエンザ 新型インフルエンザ
感染部位 呼吸器上皮 ウイルスが血液中に入り
全身に広がる
症  状 呼吸器症状に加え
発熱、筋肉痛等
多臓器不全
(ウイルス感染に対抗する宿主反応が異常に強く起こり、逆に多くの臓器 を傷害してしまう)
感染年齢 高齢者中心 小児・若年中心
致 死 率 0.1%以下 70%以上
 
7. 新型インフルエンザの感染を防ぐには?
 

(1)不必要な外出をしない。

(2)どうしても外出しなくてはいけない場合は防護マスクを着用する。

(3)帰宅時の石鹸水による手洗いとうがいを実施する。

(4)咳、くしゃみの際のエチケット(ティッシュペーパーで押さえ、その処理方法)
  を子どもに教え、自分自身も模範を示す。

(5)病人に近づかないように教え、もし発病した際には学校を休ませる。

(6)学校閉鎖の際の家庭教育などの計画を立てる。

(7)日用品の買い物などの外出を最小限とする。

(8)在宅勤務の際の対応計画等。

 
8. 暫く経済活動も停止する可能性もあるので家庭での備えは?
 

(1) 水、食料の備蓄 (2週間〜8週間分)

  • 調理済み食品、簡単に調理できる食品、缶詰、水、ジュース、
    ポカリスエットなどの電解質飲料、ベビーフード、カロリーメート、チョコレート

(2) 日用品の備蓄

  • 石鹸、懐中電灯、電池、ラジオ、缶切、ゴミ袋、使い捨て手袋
    ティッシュペーパー、トイレットペーパー、使い捨てオムツ
    ウィルス防護マスク、ゴーグル、手袋、サランラップ、
    ビニール袋(汚染されたゴミを密封します)

(3) 家庭用医薬品の備蓄

  • 体温計、血圧計、血糖計、解熱鎮痛剤、胃薬、風邪薬、
    下痢止め薬、常用医薬品、ビタミン剤、電解質液

(4) 地域社会の中で連携を密にし、緊急対策などについての協力と理解を深める。

  • 正確な情報を入手して、風評にまどわされず冷静に対応する。
 
9. 新型インフルエンザがもしも家族の誰かに感染したら?
 
  • まず、保健所へ連絡をする 荒川区保健所 Tel:3802-3111》

 
※今回の資料は、国立感染症研究所ウィルス第3部研究員 岡田 晴惠 先生の「新型インフルエンザの概要と現状」のパワーポイントを参考させていただきました。ここに感謝いたします。
 

<小坂まさみからの提言>

 新型インフルエンザ」に関して現在マスコミ等でワクチンの開発及び備蓄についてはよく報道されています。

 しかし、「新型インフルエンザ」を発病した患者を受け入れる病院等については具体的な話しをあまり聞いたことがありません。

 発病した場合、家庭内で看護することは大変危険であります。なぜなら、家族全員が感染してしまうからです。

 しかし、他の病気の患者と完全に隔離された病棟を持つ病院がどの位あるでしょうか?大変不安に感じます。

 今から新しい病院を建設することは大変無理なことだと思います。

 そこで、統廃合されて空いた学校の教室、公の施設、又は空いているビル等を緊急の受け入れ先として確保し、隔離室を設け医師をそこへ派遣すれば良いのではないでしょうか? 

平成20年6月24日        .
荒川区区議会議員 小坂まさみ